§2〔煙突内面の洗浄と診断〕

“チムクリーン”は煙突内面に高圧水を旋回噴射してライニングを洗浄し水洗後は全方位・全高カメラでライニングの損傷状況を記録します。高所のゴンドラ作業をなくするための無人ロボットです。

1.システムの概要

・煙突頂部から1本のワイヤー(Φ10)を底部まで垂下し、チルクライマーに挿入します。
・チムクリーンは3段構成とし、頂部にクライミング・クレーンを装着し、中段部に洗浄用回転ノズルを装備します。煙突の内径に応じ、ガイドホィールのアームを調整することによりノズルと壁面距離を調整します。下段部は高圧水ホースやケーブルの重量を支え(吊り)ます。即ち頂点と下点の引っ張り作用によりクライマー全体があやとりの原理でノズルやカメラが絶えず筒身の中央に維持されます。
・チムクリーンの昇降速度、ノズルの回転、圧力、映像の監視、調節等のすべては地上のコントロールセンター(車載)にて制御されます。
・洗浄が終了すると洗浄ノズルおよびホースを取り外し点検用カメラと取り換え映像診断を行います。
・ロボットの昇降に伴う高圧水ホース、ケーブルの筒内進入引き出しの外部作業は作業員が手動で助勢します。
・洗浄排水は煙突のボトム排水管より一旦筒外仮設水槽で受け、排水ポンプ及び仮設ホースにより客先指定の箇所に送水します。
・筒身ライニングの腐食剥離クズ等の廃棄物は土嚢袋又はフレコンバッグに回収しご指定の場所に集積します。

(2)洗浄の効果

・煙突内に付着した有害物質、粉塵を完全に除去し飛散による公害を防止すると共に内面腐食の進行を抑制します。
・筒身内面の全高、全方位映像診断システムの画像により腐食損傷の局部を特定し保修点検の合理化をはかります。
(科学技術庁長官発明奨励賞受賞)

チムクリーン

外部作業

廃液回収

図

付着物 頂部

付着物 筒身

付着物 拡大図

ライニング

全方位カメラ

全方位カメラ

展開写真

4本集合

2本集合

下部内径8m超

3本集合